12日(金)の午後から、東京出張で出かけ、今日の午前中に札幌へ戻ってきました。
今日はその間に見つけたユニバーサルデザイン(UD)を少しご紹介します。
但し、私が勝手にUDと解釈しているものも含んでいます。
UDは、「全ての人のためのデザイン」をコンセプトとしていますので、少しでも多くの人のために工夫しているものであれば、立派なUDであると私は思っています。
まずは、出張へのスタートとなった厚別区役所の入口です。
点字・誘導ブロックの視認性を高める(見やすいようにする)ために、黄色の周辺に黒いタイルを敷設しています。
区役所内の階段です。
階段の段の先のところ(段鼻)がわかりやすいように両端部に黄色の印(標識テープ)が貼り付けられています。
最近のデジカメは性能がよいので、はっきり認識できるように写ってしまいますが、視力の弱い人にとっては、階段の段が認識できないと踏み外してしまう可能性がありますので、このような目印があるとわかりやすいですよね。
次は、以前にもご紹介したと思いますが、JR東日本でよく使われている方式です。
黄色がより目立つように、黒のラインが入っています。
次は駅の駅名サインです。
いろいろなUDが隠されているのですが、代表的なものを紹介しますと、
・ 文字が非常に見やすいフォントを使用しています。
・ 進む方向と次の駅などがわかりやすく表記されています。
・ 最近、日本全国の鉄道等で整備されつつありますが、路線と駅の記号・番号が書かれています(日本語や英語がわからない人にも対応できます)。
ところで、昔から「どちらにする方がよいのだろう?」と悩んで(?)いることがあり、「新千歳空港」のサインで思い出しました。
ちょうど両方(2つ)のパターンが偶然にも1つのサインで表現されています・・・
実は、ローマ字表記の部分です。
新千歳空港の表記の下に「New Chitose Airport」と英訳が書かれています。
つまり「新」の部分は「New」に対応しているわけです。
一方、次の駅の表記では、みなみちとせ(南千歳)の表記の下に「Minami-Chitose」とあり、読み方をローマ字で書かれています。
つまり「みなみ(南)」に「Minami」となっていて、「South」などなっていないわけです。
おそらくその(当該)駅の表示部分は英語表記として、次の駅のところは読み方をローマ字表記することで駅名サインは便利になっていると思います。
次の駅の情報を必要とする利用者にとっては、その駅の情報(英語表記による認識)が最重要なわけでなく、次の駅や進路方向(新千歳は端末駅ですので逆方向はありませんが・・・)が重要となりますので、駅の読み方をわかる方が便利で良いという判断だと思います。
駅でのアナウンスも、「○○方面」とか「次の停車駅は・・・」というようなアナウンスがなされますし、英語表記の地図を見た時なども、読み方がわかった方が有益かもしれません。
今回のJRの駅名サインは、利用者の行動形態とその場でどのような情報を出せばよいのかということで、いろいろと分析され、結果としてこのような表記に落ち着いたのだと思います(南千歳駅の駅名サインではどうなっているか確認していません)。
私は以前、このような利用者(消費者・観光客・ドライバーなど)の行動を踏まえたサイン(標識など)計画の分析のお手伝いをした際、ローマ字読み表記なのか英語表記なのかを悩んだことがあり、このようなことを話題に長々と書いてしまいました・・・
結局、利用者の状況や行動形態に合わせて、どのような情報を出せばよいのか分析して決めることになるのですが、地名などは非常に悩んでしまいます(地名はそのように読まれている地名であって、無理やり単語ごとや漢字ごとに英訳するのもどうかなと思ってしまいます。でも単純に東西南北で地名を表しているのもありますので、悩みどころです・・・)。
長くなってしまいましたので、続きは後日、改めてご紹介します。